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< いばらの道 >

 9月28日 午前3時半
 
 昨日の朝は『特ダネ!』の仕事があった。 笠井アナウンサーが仕切っている『特ダネ・タイムス』で、W不倫をしていた女が、喧嘩の末、相手の男を車で三度轢いた事件を取り上げた。
(自分も結婚しているにもかかわらず、なに考えているんだ、その女)
 とあたしは思った。
 誰かの命令でその男とつき合っているわけじゃなし、辛くなったなら不倫を止めればいいだけの話じゃんか。その方が円満解決なんだしさ。
 ま、頭では止めようと思っていても、なかなか止められんのが恋愛だからね。頭と心がばらばらに活動してしまうのが。
 車で男を轢いたことを抜かせば、よくある話なのかもしれない。
 あたしが一言いいたいのは、その事件に対してではないの。
 笠井さんが、とんでもないその女に対し、三回「美人」と形容したことだ。
 あたしはCMの最中、笠井さんに文句をいった。
「なんで犯罪者を美人って誉めなきゃなんないの? 間違ってるよ」
 するとまわりのオジサンたちが、
「美人なんだから仕方ねぇだろ。美人なんだから」
 とかなんとか、またまたそのとんでもない女を「美人」っていいはじめたの。五回も「美人」といった。数えていたから間違いない。
 そのとんでもない女は犯罪者にもかかわらず、あたしの知っているかぎり八回も「美人」といわれていたわけよ。
 悔しいったらない。
 ほんとの本気で悔しくて、あたしはスタジオで唇を噛んだわよ。
 というのも、事情があるんだな。
 テレビに出ているあたしを観て、顔が変だと気づいた人はいるかしら。
 オバジという化粧品を試しはじめて、顔面ズル剥け状態なんだよね。
 皮が鱗のようにささくれて、しかも真っ赤に腫れ上がってる。
 一応、局のメークさんの協力を得て、特殊メイク(ただの厚塗り)をしてもらっているけど、わかる人にはわかるんじゃないか。
 出会う人出会う人、ぎょっとされるぐらい酷い状態なんだから。
 しょうがないからその都度、
「あ、病気じゃないんです。伝らないから安心してくださいな。オバジという化粧品で、古い角質を除去している最中で……」
 などと説明し歩いておる。
 はっきりいって、今のあたしは化け物よ。口の悪い女友達には、
「悪いんだけど、怖いからこっち見ないでくれる」
 とまでいわれてしまうし。
 わざわざ教えてくれなくても、あたしだって鏡を見て、毎日「怖え~」と思っているんじゃい。笑うと皮膚が裂け、血が滲んでくるところも怖い。ホラーだな。
 それでも途中で止める気になれないのは、化け物期間は一ヶ月、そこを我慢すれば、赤ちゃんのような透明な素肌を手に入れられると説明を受けているからだ。
 実際、知り合いがオバジで綺麗になったしな。ファンデーションが二段階も明るいものになったといっていたっけ。
 で、あたしも飛びついて使用しだした。綺麗になるまでのいばらの道の説明をよく聞かないで。
 正直いって、余計なことをしでかしたと深く深く後悔している。
 新マネージャーの直樹さんが悪い。二日もつづけて休みを設けるから。
 あたしはね、暇だと余計なことしちゃうのよ。それがあたしなのよ。
 コンビを組んで三ヶ月経った。早くあたしという女を理解しておくれ。

2005 09 28 [日記・コラム・つぶやき] | 固定リンク | トラックバック

< 違うかな? >

 9月20日 午前3時
 
 遅くまで仕事をしていたら、喧嘩別れした昔の彼氏から電話がかかってきた。
「今、なにしてるの?」
 と第一声で訊ねられて、とても動揺していたあたしは、
「え、今? 仕事してた。東スポの原稿書いてたの」
 そう早口で答えて、笑われちゃった。
 彼は、スポーツ新聞を読んだ友達にあたしが手術をすることを教えられ、何日も何日も考えて電話してきてくれたんだそうだ。
「ほんとのこというと怖かったんだけどさ。電話なんかして、きみに激怒されるんじゃないかと思って」
 うーん、以前のあたしだったらそうしていたかもしれないな。
「あんた、よく電話なんかしてこられたもんよね!」とか、
「なんで電話してきた? 女と別れたんか?昔の女であるあたしは、最初の段取りをすっ飛ばして簡単にセックスさせてくれるだろうとか馬鹿なこと考えてるんじゃないだろうね。舐めるんじゃねーぞ、こらっ」とか、
 身も蓋もないことをいってしまったかもしれない。
 でも、そういうの止めることにしたの。
 失敗をくり返してもあたしが新たな恋愛に挑めるのは、たぶん以前の彼氏にいっぱいいっぱい愛された優しい記憶があるからだろうということがわかったから。
 彼が笑いこけている一瞬の間、すっごいいろんなことを考えて、
「あたしね、今ね、恋してるの」
 と答え直した。
 たぶん、きっと、この答えが正解だと思って。
 彼はずっとずっと笑っていて、
「変わってないね」
 っていってた。やっぱり、正解だったみたいだ。
 思い出の中の女であるあたしが変わっていたら、彼はもっと寂しくなるでしょう?
 だって彼は、あたしの身体を心配してくれたのはもちろん、それにちょっとだけプラスして、今、自分が寂しいから昔の女であるあたしに電話をしてきたんだと思う。
 違うかな?
 
 

2005 09 20 [日記・コラム・つぶやき] | 固定リンク | トラックバック

< 仕事部屋を移そう >

9月13日18時

 大阪駅で会った君、あれは『スーパードリーマー』だったんか。もっとたくさん話したかったね。ごめんよ、急いでて。新幹線の時間があったから。
 
わたしばかよねぇ〜♪』はさ、控え室までおいで。警備の人にいっておくから大丈夫。
 たしか、友達にあげるのを忘れたマタニティードレスがあった気がするんだよ。フランスの女学生の制服みたいな可愛いやつ。押入を探して出てきたら、それ持っていくね。
 生まれるのは、どっちだろ。男の子? 女の子? まだわかんないの?
 
えみっちぃの見る風景』、鬱なんか? あたしの鬱に感染したかいな。
 ま、辛いのはずっとつづかないからさ。下痢の症状と一緒で、波があるんだよね。
 今、ピーピーの地獄だったら、はぁ~と深呼吸できるときがやがてやってくるわけで、それまで亀のようにじっとしていればよい。
 鬱のときってなにをやっても上手くいかないから、なにもやらないほうがいいよ。あたしはそうだな。
美美美っとくる生活』が「なぜオカマが?やってくるの」とあたしに質問しておったが、その答えは、ディープな鬱生活に突入してしまう恐れがあるからなんだよね。
 来年から仕事部屋を青山か表参道辺りに移そうと思ってる。たぶん、三分の一ぐらいの割合で、そっちで生活する。
 あたしの仕事って、朝早かったり夜遅かったりで時間が不規則だ。あたし以外の家族、息子、爺、婆が、あたしと一緒だととてもじゃないが健康的に暮らせないといいだした。
 かもなぁ。夜中にパタパタ歩かれたり、朝早くバタバタ身支度しだしたり。物音で、みんなぐっすり眠れることができないんだって。あたしは小刻み睡眠に馴れているからいいけど、老人と子供には辛かろうよ。
 今は月の半分、マンションの下の階の仕事部屋で寝泊まりをしている。
 仕事部屋を移そうと思ったのは、移動時間短縮のためと気分転換。気持ちを仕事モードへ持っていきやすくするっていうのが、最大の理由かな。
 息子と一緒にいる時間も短縮されるだろうから、かなり悩んだけれど。
 でもあたし、このままじゃ、お母さんとしても、社会人としても、中途半端に終わってしまいそうな気がするんだ。
 仕事は、ずっとあたしを支えつづけてきてくれた人達のことを考えると辞めることはできない。減らすこともできない。
 ま、養わなきゃならない家族もいるし、なにより仕事が好きだしな。辞めることができないっていうより、辞められないんだな。
 これだけ仕事をしていると、世間一般がいう良いお母さんというのにもなれない。
 ならせめて、息子が、
「俺、あの女の息子なんだぜ」
 そう胸を張っていえるような人間になりたいの。
(子供の頃、母ちゃんが俺と始終一緒にいてくれなかったのは、これをやっていたからだ)
 そんな風に納得せざるを得ない作品を書かかなければと思ってる。
 正しいか正しくないかはわからない。でも、息子は家族だし、あたしにいちばん近い人間だから、それが正しくなかったといずれわかっても、謝ってやり直すことは可能だと思う。甘いかしら。
 とにかく来年から2年ぐらい、勝負してみるつもり。爺と婆も、
(今までみんなのために頑張ってくれたんだから、今回はおまえの好きなようにやってみろ)
 といつになく応援ムードだし。
 が、しかし、そこで重大な問題が……。
 あたしってば、突発的に重度の鬱になるんだよ。アル中気味だしさ。
 恥ずかしいが、みんなに告白する。あたしってば誰かが側にいなくちゃ危ない、大人になりきれない大人かも(外見だけがちゃんと三十五歳で悔しい)。
 青山に仕事部屋を移すことについて、親があたしに出してきた条件は、同居人を入れろというものだった。
 そこであたしはパートナーに、オカマのアダを選んでみました。こいつはブッサイクだけど面倒見がいいし、作家志望だから向こうもあたしの側にいることで仕事を覚えるというメリットがある。なにより面白そうだ。
 ま、いっちゃんの決めてはすっげぇ気が合うってこと。お互いにつられ泣きしてしまうのよ。つまり、おなじくらい馬鹿なんだね。
 抱き合って意味もなくおいおい泣ける相手は、こいつしかいない。女同士だと気持ち悪いし、男とだとそこに媚びが入ってしまうしな。
 気が合いすぎて、男の趣味が被るのだけが問題だ。喧嘩別れするとしたら、あたしの男をむりやり手込めにしてしまったとか、そういうことだろう。
 そういうこと……あるかもしれないよ。その可能性は否めない。なにしろやつってば、マッチョでガタイがいい、それに激情型の性格ときている。
 細かいことを言い出すときりがないから、
そこに笑いがあったら許したろ。

2005 09 14 [日記・コラム・つぶやき] | 固定リンク | トラックバック

< ……マジかよ >

 9月5日21時。
 
 ごめん。一週間、サボっちゃって。みんなすっごく心配してくれてるのにね。ほんと、ごめん。
 どういう風に書いたらいいか、わからなくなっちゃって。というか、あたし自身なんにも心配してなかったのに、きゅうに心配になってきちゃって。落ち着くのに時間がかかってしまったの。
 それもこれもスポーツ新聞とニュースを目にしたからだ。一緒に出張へ出かけていたマネージャーの元へ事務所から電話がかかってきて、
「とにかく新聞を読め」
 といわれたのが、前回のブログが載った翌日のこと。
 で、新聞を買ってきた。ニュースは事務所が録画していたので、出張から戻って観た。
「……マジかよ」
 あたしはそうつぶやいて、絶句しちゃったもんね。
 病気のことはこのブログに書いてある通りなんだけど、ほんとにそれ以上でもそれ以下のことでもないんだけど、新聞に書かれたものを読んでみると大変なことである気がしてきちゃって。
 ニュースなんてさ、クイズ番組に出たときの映像を流してやんの。……あのぉ、それって思い出・映像ってやつですか?
 どうしてこんなことになってるの。その日は頭を抱えて帰宅した。
 そして三日後。ずっと考え込んでいても仕方ないし、むしゃくしゃして気が晴れないから、マネージャーと常務を呼び出し単刀直入に訊いてみた。
「あたし、死ぬの?」
「ええーっ!」
 二人は驚き、後ろにすっ飛んだ。あたしはすぐさま前に出て、二人の顔をぎろっと睨んだ。
「ほんとうのことをいって」
「いや、だから。ほんとうのことって、なんなのよ。膵臓に腫瘍ができてる。ウズラ卵くらいの。陽性だから無理してすぐ取らなくてもいいけど、室井が懇意にしている占い師さん3人に訊ねた結果、今年手術して取ってしまおうってことじゃない」
 と常務が答えた。
 業界も長いこの人は、海千山千であろう。嘘をつくのが上手そうだ。常務はほっといて、マネージャーに詰め寄った。
「直樹さんはあたしの味方でしょ。ほんとうのことをいえ」
「だから、それがすべてですって。どうしたのよ、室井さん。困っちゃうな、もう」
 本気で困っているようだった。なーんだ、やっぱりブログに書いたとおりじゃん。
 あひゃひゃ。よく考えたら、医者の診断を訊いたのも自分だし、それをそのままブログに書いたんだった。そして、それが大げさに記事になっただけじゃん。なのに、なにを疑う? 馬鹿だねぇ、あたし。
 それにしても、あたしが疑ってしまうぐらいだから、あたしのまわりの人間はどうなんだろうと思った。
 女友達は、当初あたしが報告したことのみを信じているようだった。仕事の関係者たちも。数人のボーイフレンドもそうだったなぁ。けど、それはあたしの口からちゃんとした説明を受けていたからだろう。
 あたしに好意を抱いていて、でも小心者ゆえ告白できずにいる男がいたとする。最後の最後に伝えておかなきゃ、なんて思ったりしてないかしら。
 ええ、あたしはこの一週間、待っていましたとも。告白メールと、告白電話を。それで落ち着かなかったんじゃ。ブログの更新もできないぐらい。
 くだらなさ満点だ。だって、そんなもんぜんぜんこなかったんだから。
 別件の用事で、昔すっごく好きだった男に電話をしたら、軽い調子で、
「そういえば、手術するんだってね」
 といわれちまった。つき合いは終わったといえ、「そういえば」という枕詞はないだろう。
 ……あ、でもな、以前ここで書いたヘタレのジャーナリスト、今回の選挙についてずいぶんインタビューの仕事が入っていたから、それが専門であるあいつを呼び出したんだ、詳しく勉強しておこうと思って。
 へろへろに酔っぱらった勉強会の帰り道、あの男、手を繋いできたっけか。もしかして、あれはヘタレができうる限りの告白だったんか?
 そうそうそれに、優しい大人のあの人は、手術で傷ができることを気にしているあたしに、
「そんなの僕は気にしません」
 ってメールをくれた。それってつまり、傷を見せるような関係にまで発展させたいってことかしら。ウッシッシ。
 てなことを深夜、女友達に電話して話したら、
「あんた、死なないから。百まで生きるタイプだから」
 といわれた。昔の男にもおなじことをいわれました!
 
 ぜんぜん話は変わるけど、来年からオカマの書生が家にきます。

2005 09 06 [日記・コラム・つぶやき] | 固定リンク | トラックバック