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< 辛いものは好きですか? >

 うちの家族は辛いものを食べることができない。四歳の息子はもちろん、婆ちゃんや、爺ちゃんも辛い食べ物はNGである。
 爺ちゃんは以前、辛い食べ物が好きだったのだ。けれど去年、痔の手術をしてから再発を恐れ、自制しているようである。痔の手術がよっぽど屈辱的だったに違いない。看護婦が必要以上に美人だと、ブヒブヒ文句をいってたもんな。
 とにかく我が家の食卓には、辛いものはいっさいあがることはなくなった。明太子でさえ出さない。辛い物好きなあたしは、とてもストレスが貯まるのよ。
 あたしは辛い物が好きだ。どのぐらい好きかというとですね。韓国人の友達に驚かれるぐらいだ。
 一緒に韓国料理を食べにいって、スープが真っ赤な鍋に、さらに練り唐辛子を入れたりするから。青唐辛子は味噌をつけおやつ代わりにぽりぽり囓る。これって日本のものよりどろりとしていて甘い、韓国JINROと相性がいいようだ。何杯でも飲めちゃうな。
 とにかく、あたしは辛い物に飢えている。家族と一緒に食事をしないときは、絶対に辛い物が食べたかったりする。
 というような話を大阪でお世話になっているスタイリストの姉さんにした。姉さんは、
「わかる。わかるでぇ。あたしも辛い物が大好きなんや(この人は酒もかなり好きだ)まかしとき!」
 と胸を叩いた。
 で、その翌週のことだ。姉さんにいわれるまま、関西テレビ局前で待ち合わせをした。連れて行かれたのはそこから歩いて十分ぐらいの『激辛料理ハチ』という店。ぱっと見、古い喫茶店のようだ。窓から中を覗いてみたが、暗くてよくわかならい。
 行列が出来ていた。五人くらい人が並んでいた。三分ぐらいすると、病人みたいな男女が店から出てきた。目はうつろで、足下がふらついている。
 なんだか怖い。あたしは姉さんに訊ねた。
「今からあたしはなにを食べるの」
「カレー」
「それはなんとなくわかった。だって匂いがするもん。ねえ、どんなカレー?」
「辛いでぇ」
「いや、そういうことではなく、どんな種類のカレーなの?」
「よくわからんが肉が入っている」
「なんの肉?」
「さあ」
 怪しい。怪しすぎる。順番がまわってきて店に入ったら、よけいにそう感じた。店内が水を打ったように静かなのだ。スプーンが皿にぶつかるカチャカチャという音が、やけに大きく感じられる。
 あたしも黙ってカウンター席に座った。茶髪のおばさん一人がカウンターの中で働いていた。メニューは一種類しかない。カレーだ。あたしはそれを注文した。
 目の前にカレーの皿が出てきた。茶色いルーの上に、なにかわからない肉の塊が乗っていた。スプーンですくって一口食べてみた。声も出せないほど辛い。
 だからみんな黙っていたのね。盛られたカレーを半分ほど食べたときだ。つむじの当たりで、プチッ、となにかがはじけた気がした。毛穴だ。毛穴がはじけ、開いてゆく。
 プチ…プチ……プチプチプチプチプチ……。
 汗がだあだあ流れ出す。顔が汗だらけになるんじゃない。汗の中に顔があるといった感じになる。瞳の焦点を合わせることさえ難しくなってきた。
(負けるもんか!)
 あたしは根性で、ただひたすらスプーンを口に往復させた。
(これを完食できずして、どうして辛い物好きを名乗れよう!)
 店を出るとき、ぼんやり霞んだあたしの視界に、おばさんの丸い顔が映っていた。にやりと笑っている、たぶん。
 おばさんはいった。
「あんた、はじめてやろ。ほら、これもってき」
 なにかを手渡された。店を出て掌を開いてみると、それは太田胃散だった。
 身体がとても重かった。気を抜くと、身体を置いて魂だけどっかに飛んでいってしまいそうだった。なにかとてつもない大仕事をやり遂げたような誇らしい気分だった。いや、一仕事終え、マッサージを受けたような気分か。いやいや、昼から酒をしこたま飲んで、長時間セックスしたような……。
 それから一週間。あたしはまだあのカレーを食ったときの衝撃が忘れられないでいる。今週またいってみるつもりだ。いちばん大切なこと、カレーが美味しかったのか、そうでなかったのか、あまりの衝撃に考えることができなかったから。
 それにしても太田胃散を飲まなきゃいけないようなものを、なぜ売ってんだ。しかも繁盛しているらしいし。

2004 09 29 [日記・コラム・つぶやき] | 固定リンク | トラックバック

< オフ会のご報告 by 井上 >

突然ですが、マネージャーの井上です。
オフ会を年末に……、などと言い出したと思ったら、いつの間にか幹事候補になっていました。結構あわてております。オフ会のひらきかたなどは、今いろいろと調べている最中ですが、スケジュール的に年末は無理じゃないかな。っていうか無理。考えてみたら、秋から年末にかけては僕たちのかき入れ時ではないですか。現時点で空いているスケジュールがあったとしても、埋めていかなきゃいけないしね。ということで、オフ会の開催は来年の一月末〜二月末で調整したいと思ってます。

2004 09 25 [日記・コラム・つぶやき] | 固定リンク | トラックバック

< 占いの暴力と、そのつきあい方 >

『plants+』さん、そう、あたしはあなたとおなじ細木数子さんの六星占術で【金星人(+)】の女。今は大殺界の停止といういちばん悪い時期だそうだ。
 ちなみに動物占いは【猿】です。【努力型の猿】。
 ほんでもって四柱推命は、【戌寅・長生・偏官・富貴学堂】ってやつ。義理人情に厚く意固地な女。
 占いは大好き。だけど、占い師の助言はあまり聞かないかも。異性関係なぞ、やめろといわれればいわれるほど相手のことが好きになる。
 たぶん、ゲーム感覚で自分のことをあれこれ調べることが好きなんだね。自分好きってやつ。それと欲張りなんかな? もっともっと幸せになる方法があるんじゃないかと、常に考えてしまう。
 占い師の助言を素直に訊かないのは、相手が占い師だからというのではなく、よく考えたらあたしは誰のいうこともあまり訊かないのであった。
 自分でなにか物事を決め動いた結果、最悪の事態になったりしても、
「そういうこともあるさ」
 と諦めがつく。けど、他人のアドバイスによって、結果が最悪になったりしてみ。厭じゃないの。どーせ、失敗の尻ぬぐいをするのは自分。なら、自分の思い通りに生きなくてどうする?
 で、こういうあたしの意見を占い師に告げると、
「やっぱり」
 って返されたりする。
「そういうと思ってました。そういう性格って出ていますから」
 ……くぅーっ。なぜかとっても悔しいの。そして、そんな気分だと占い師に白状すると、
「やっぱり」
 とまたまた返される。
「だって、あなたは負けず嫌いですから」
 会話に終わりがないっちゅーの!
 まあ、占い師とのこういうやり取り、あたしは嫌いじゃなかったりする。
 あたしったら、気遣い屋さんでもあるから、占いに「負けず嫌い」と出ているのなら、最後まで占い師の意見を突っぱねなきゃな、などとも考えてしまう。その方が占い師もバンバンザイなんじゃん。本業の占いが大当たりってことだもの。
 占い師の方に占ってもらうことにおいて、あたしが厭なことは一つ。それは、占いの結果で「あなたはそういう人間だから駄目なのだ」と説教されること。
 今までのあたしの言動について、良くないといわれるのなら仕方があるまい。しかし、占いに出たあたしの性格について批判されるってどうなのよ?
 あたしはこれを、占い師の暴力だと思う。占い師の暴力は、物書きの暴力より質が悪いんじゃないか。
 物書きの暴力は、もちろん、言葉の暴力だ。言葉の暴力を振るう場合、自分の名前を出し正々堂々と勝負を挑むというのは当たり前。自分の意見を述べるわけだから。
 名前を出して、ってことについては、占い師の方もおなじか。でも、どっか違う気がしていたんだよ。
 そしたら、わかった。物書きの暴力は反論できる余地がある。救い所があるわけよ。
 だって、
「おまえはそういう意見かもしれないが、俺は違う」
 といわれたらそれでお仕舞いじゃん。
「おまえの意見は正しくない」っていわれたら。
 けれども、占い師の暴力は救いがないように思える。
「占い結果でそういう風に出ているんですから」
 といわれ、なんと返していいのやら。
 そういえば、あたしは以前、バースディ喜多寺さんという占い師のホームページに、めちゃくちゃ書かれたことがある。どうしてあたしの結婚生活が駄目になったのか、バースディさんが占いで判断しているのだ。
 たしかこんなことが書かれていた。
「室井さんは【夏の山】。枯れきった心の女なのです。そういう女と結婚してしまった旦那さんが可哀想」
 ってなことがくどくどと。いかにあたしの性格が悪いかを。
 あのー、あたし、バースディさんの本を持っていますが、あたしはバースディさんが作った占いのチーム分け、【夏の山】チームではなく、【春の山】チームなんですけど。なんど生年月日を計算してみてもそうだ。
 たぶん、バースディさんは、あたしがデビューして間もない頃に公表していた生年月日で占いをしたに違いない。あたしったら、デビューして一年間は、1970生まれなのに、1972年生まれと公表していたから。
 ホステスと兼業で作家をしていたので、しょうがなかったんだもん。クラブでは年を四つ誤魔化していた。ま、四つぐらい歳を誤魔化すのは、夜の世界では常識じゃ。あたしの母ちゃんなんて、その昔、十歳も歳を誤魔化していたという。ほんで、十歳年下のうちの父ちゃんと結婚したんだから。
 ありっ、話がちょこっとズレちまった。とにかくあたしは、ホステスを辞めようと、そのときは思ってなかったのよ。
 ホステスとは、お客にただ酒を飲ませればいいというわけじゃない。夢を売る仕事じゃん。贔屓にしてくれたお客さんに、四つも年をサバよんでいたと知られるのはなぁ。そこで気の弱いあたしは、二つ年を誤魔化しておくことにしたわけです。
 ……ってこれじゃ、年齢をサバよんでいたあたしが悪いことになっちまう。違うの、違う、あたしがいいたいことはそういうことではないの。
 名前を出して商売をしている手前、むかつく意見や批判も受け止めなきゃならないと思う。自分と違う意見の人間がいるのは当たり前なんだから。
 だけど、それが「占いによると」ってのはどうなの? 反論しようがないぶん、ものすごく厭な気分になるよ。
 そうそう、あたしは例の人気番組の出演も断った。滅多に仕事を断らないあたしだけどさ。占いの暴力を受けたときのことを考えると、そのダメージは出演料に変えられない気がするんだもん。
 

2004 09 22 [日記・コラム・つぶやき] | 固定リンク | トラックバック

< 幹事候補・井上っちの巻 >

 井上っちから書き込みがないね。「オフ会の件、具体的にまとめて、あたしを含め、みなさんにお知らせしてね」と先週、お願いしておいたんだけど。
 ま、やつはあたしが話したとき、「もう少し、待って」といっておったから、もう少しだけ待ってあげようと思うのです。みなさんそれでよい?
『我がまま・気まま・徒然に!』さん、あたしゃ「釣り」をしようとなんてしてないから。本気でやりたいの。ただ、どうしていいのかわからない。井上さんが動いてくれないとなぁ。
 早くどうするか決めてくれないかしら。会場によってみなさんに、マジックを披露するか、歌を披露するか、違ってくるんだから。さっさと練習をはじめなければ、とても間に合わないっちゅーの。
 とここまで書いたところで、井上さんが後ろからマックを覗き込み、
「オフ会ってそういうものじゃないのでは?」
 っとボソッといった。じゃあ、どういうものなのさ。あたしはそれが知りたいんじゃい。
 あ、『らぶろぐ』さん、その際、あたしは息子も連れていくつもりよ。仕事じゃないんだから。『らぶろぐ』さんも連れてきたら?
 子供連れでも平気な会場にしろって、井上さんにいっとかなきゃな。
 あ、誰かまた「井上さん、かわいそう」とかいった? 『donguri』さん、『業務報告』さんだろ。
 いいの。だって、あたしは井上さんの熱心なスカウトにより、事務所に入ったんだから。それに、あたしはきゅうに威張りだしたんじゃない、六年前、出会ったときからこんなもんだった。
 NHKの番組で、ダニエル・カールさんのマネージャーとして井上っちと出会った。お寺を参拝しにいく番組で。
 簡単に引き受けた仕事だったけれど、現場についてみてビックリよ。参拝する寺が、なんと山の頂上にあるではないか。
 ロープウエーなどなく、徒歩で登れという。巨大な壁のようにそびえる山を見て、あたしはいった。
「無理だと思います」
 しかし、そんなことをいっても今更じゃない。ええ、泣く泣く登りましたとも。当時、見ず知らずの井上さんに背中を押してもらって。山のてっぺんに着くまで百回ぐらい、
「うちに帰る!」
 と喚きまくった。
 で、その仕事が終わって、翌日だね。井上さんから「事務所に所属しておくれ」と電話がきたのは。冗談かと思ってほっといたら、家にやってきた。菓子折を持って。
 つまり井上さんは、あたしが我が儘だというのは百も承知でマネージャー役を自らかってでた男なわけである。人の我が儘を聞くのが好きなのね。
 いや、そんなわけないね。我が儘を聞くのが好きな人間なんていやしない。きっと、他人の我が儘を許せるという才能を持った男なのだと思う。そして、その才能を金に換え、生きておる。
 あたしは我が儘をいう方だから、我が儘を許してくれる人間に、当然、金を流す係なわけである。それが大人のつき合いだ。わかっている。
 わかっているが、ある年の月末、一瞬、井上さんに渡す金が惜しくなった。井上さんに、
「結婚でもすっか」
 といってみて、断られた。タダで井上さんを使おうとしたのがバレたようだ。
 まあ、そんなことはどうでもいい。話は変わって、『ドリフVSスマップ』さんが、「ミッ○ーマウスってなんなのか?」と書いておったが、あたしは悪いやつだと理解している。
 なぜかというと、CMで「僕のお家に遊びにおいでよ」とかいうようなことをいっておきながら、平気で金を取るからだ。「遊びにおいでよ」といわれ、尋ねていったら金を取る。これってどうなの? やつはホステスか? 子供相手にしていいことなのでしょうか。
 あたしが井上さんに「結婚」という罠をしかけたのは、六年間でたった一回の出来事だ。なのにあの鼠は、毎年、毎年、自分の誕生日が近づくと、「僕のお家に遊びにおいで」と騒ぐのである。腹黒すぎる。
 だいたい、こういう話を書くとき、あたしら物書きは鼠の名前を出せない。なにを隠そう、あの鼠はクレーム野郎なのであった。政治家のことを書くより、よっぽど規制が厳しかったりする。あたしが何度、鼠のせいで、原稿の書き直しをさせられたか。稼ぎまくっているんだから、もっと鷹揚になれっちゅーの。
 息子が好きだから、鼠ランドに何度もいった。これからもいくだろうと思う。けど、あたしは鼠ランド名物のパレードを見るたび、悲しい気分になる。
 白人が屋台の上に乗っていて、日本人はその下で踊っている。母に何度も聞かせられた、敗戦後の日本を思い出してしまう。GIがジープからガムを投げるシーンを。
 パレードの場所取りで、小雨が降る中、一時間冷たいコンクリートに座ったこともあった。その際、出産時に出た痔が再発したっけ。鼠のテーマソング「強くて明るい人気者」ってのもどうよ? 強くて明るい人気者なんて、あたしゃ嫌いだね。憎いといってもいいだろう。

P.S.
 台湾式マッサージ屋は【とうようて】ではなく、【とうようてい】だったらしい。書き間違いではなく、ずっとあたしは【とうようて】と呼んでいた。ごめんよ。みなさんがいいといっていた【烏来】、そこで働いていたヨウさんが独立して持ったお店です。
 
『メルビン』、当たり。別府の田中ってどうしてわかった?
 
 

2004 09 15 [日記・コラム・つぶやき] | 固定リンク | トラックバック

< オフ会の幹事は…… >

 噂でしか聞いたことのないオフ会というものに、一度、参加してみたかった。みなさんと直にお話ししてみたかった。そこで問題が……。
 ポーランドのハンナが、飛行機代を払ってまで参加したくないと、ごねていることじゃないよ。ガブリエルが「飛行機の移動がね……。体力がもたん。あたしゃ死ぬ」って嘆いていることでもない。凸師じゃだめかい? って、そんな話じゃなかった。
 やはり、この場合、言い出しっぺのあたしが幹事ということになるのかね。気の良い『ほんま』ちゃんが、幹事になることもいとわないといってくれているけれど、そこまで甘えていいものか。あたしよりずいぶん若そうなお嬢さんに。
 あれーっ、どうしましょう! だって、あたしったらむちゃくちゃB型気質の女。根っからの子分気質。威張っていうことではないが、三十四年間生きてきてリーダーになったことは一度もない。
 ズボラだしさ。学生時代、小、中、高、の十二年間を、遅刻・欠席・早退ナンバー1で過ごした女であった。夏休みと冬休みの宿題は一度もしていったことがない。
 大人になってもこういうところ、ぜんぜん治らないんだよね。だってあたし、マネージャーの井上さんがいなくちゃなんにもできないもん。あの男に起こされて、あの男の車に乗ると、あーら不思議。仕事現場に着いているではあーりませんか。
 ほんで、現場に着いてからも、細かく指示される。
「今日は夕方までに帰宅できます。明日は午後からなので、あの原稿とあの原稿を、終わらせておいてください。それと明日のテレビ出演の資料を読んでおいてください」
 すぐに忘れるから、家に帰ってもう一度電話がある。おなじ指示を受ける。それでも忘れてしまうから、鞄にメモが入っている。
 もちろん原稿は書きっぱなしね。井上さんがマックから取り出して印刷し、編集部に送る。あたしの体調を考え、締め切りの数日前に「今日が締め切りです」と嘘をついたりもする。おかげであたしは、番組に遅刻したことも、原稿を落としたこともない。
 ま、今のところはうまくいっているがね。年に三回ぐらい、井上さんのヒステリーにつき合うぐらいか。
「横領してやる!」
 とキレたときに口にするが、そんな度胸、井上さんにはないってんだよ。なにしろホラー映画を観て叫ぶような男なんだから。
 ホラー映画を観て悲鳴をあげる男なのに、現実、自分が呪われているということにはまだ気づいていないようだ。呪われてんでしょ、しっかり、このあたしに。
 仕事だけではなく、プライベートでも面倒を見てもらっているしな。あたしの友達は、約束をしてもあたしが忘れるので、井上さんに電話をかけるのだ。井上さんに、
「室井を何時にどこそこまで連れてきて」
 とお願いする。いや、お願いなんて可愛いものじゃない、命令だな。ってことは、井上さんはあたしの友達からも呪われているってことだ。
 さすがに、その昔、ホテルまで送らせたのはまずかったと反省している。息子が爺ちゃんと温泉旅行にいった日、このときとばかりスケベなことをしようとしたのだ。でも、急に生理になっちまった。あたしは井上さんに八つ当たりした。
「ちゃんと教えてくれないと!」
 ずいぶん昔の話ね。こっちはそんな事件があったってこと、すっかり忘れていたよ。
 この間、たまたま井上さんの手帳を見たら、
『室井・生理』
 という文字が。あたしは会社のみんなに、
「あいつぁ、危ない。変態だ」
 といいふらしたさ。もちろん井上さんの耳にすぐ届き、翌日、絶交状を渡された。三日間、口をきいてくれなかったよ、あの男。
 とにかくあの男は、異常といえるほど執念深く、よくいえばしっかりしている。みなさんに依存がなければ、井上っちに一端、話を振ってみようと思いますが、いかがなもんでしょうか。年末は忙しいという、『ふぐ屋』さんや『そこはか日記』さんなどの事情も押さえ、無償で奉公してくれることでしょう。そうそう、うちの事務所はふぐ屋の二階にあります。関係ないけど。
 じつは、みなさんに直接会ってお願いしたいこともあるんだよね。ここの連載を本にしたいっていわれているんだけど、その際、常連のみなさんに『解説』を書いてもらおうかなと思って。アルバイトを頼みたくて。みなさん、厭かしら?
 
『Moon Vessel』さん、『JUGEMとヤブログの間』さん、『カフェクレーム』さん、あたしのいっている台湾マッサージ店は、赤坂の一ツ木と通りにある【とうようて(漢字がわからん)】ということろです。店長のヨウさんのマッサージが最高で、彼女が店を変わるたび、あたしもついていってんの。頭のてっぺんから足の指先まで、丁寧にほぐしてくれる。マッサージを受けた翌日から、身体が変わります。むくみが取れて体重が軽くなるし、目がよく見えるようになるんです。マッサージというものに対する考え方が変わってしまうよ。○ップの○○○さんもお忍びで通っているとか。騙されたと思っていってみて。

2004 09 08 [日記・コラム・つぶやき] | 固定リンク | トラックバック

< 見合いとタイとマッサージと >

 一週間も休暇を取ると、その後の復帰はとてつもなく難しい。今週は無休で働いているよ。なんたって、ぜんぜん原稿が進まないんだもん。机に向かっているが、書けない。仕事の仕方をすっかり忘れちまってるんだな。
 一発目の仕事は『TVのチカラ』の生放送だったんだけど、スタイリストさんに「さあ、脱いでください」っていわれて、下着まで脱ぎすっぽんぽんになってやんの。衣装に着替えるだけだもの、下着は脱がなくてもいいっちゅーんだよ。
 とにかくさ、まわりに「えっ」といわれるぐらいボケてんな、あたし。『とくダネ!』でも笠井さんに質問され、びっくりして「あうっ」とかいっちゃうし。
 そういや小倉さんはいつアテネから帰ってくるんだろう。そろそろだと思うけど、あたしがお願いした例のことは忘れていそうな気がするよ。オリンピックのことに比べりゃ、あたしの見合いなんて屁みたいなことじゃんか。ま、あたしの方も、そのときはそういう気分だったが、今となってはどうでもいい感じもしてきた。
 だる〜い。頭も身体も痛〜い。それもそのはず、昨日マッサージにいったので、揉み返しがきておるのじゃ。
 そうそう、今回のタイ旅行は、あたし、婆、息子、あたしの友人でカメラマンのムラオという女、四人でいった。はじめは爺も一緒にいくはずだったが、爺の兄さんが急遽入院することになり、爺は兄さんの仕事の手伝いを頼まれていけなかった。
 タイといえばマッサージが有名じゃん。あたしはガイドブックを眺めてどの店にいくか楽しみにしておった。が、子連れなので、息子が寝てからしか店にいくことはできない。
 旅行中、あの男、ぜんぜん早寝してくれずに参ったよ。人差し指と親指で上瞼と下瞼をむりやりこじ開けてまで起きているんだもん。結局、マッサージ専門店に出向くことはできなかった。バンコクのホテルにマッサージ師を呼んだだけだ。息子と婆が寝てからさ。
 ホテルの人に頼んで呼んでもらったんだよ。けど、なんかエッチな感じの若い女の子が、部屋にやってきたのだった。ケバイ化粧にテロテロのワンピースを着ている二人組の女の子である。
 待っていたのがあたしとムラオで、向こうはたいそう驚いた様子。が、こちらも驚いたってーの。彼女たちはホテルの部屋のひとつひとつを点検し(つづき部屋をとっていたのね)、その後、突っ立ったままで変な顔をし見つめ合っていた。
 そこでムラオが一言。
「タイ・マッサージOK? ウィーアーべリータイアード」
 とかなんとか。すると、女の子たちは微笑んで、
「タイ・マッサージ、オッケー、オッケー」
 と答えた。
 でも、その真っ赤な長い爪でどうやってマッサージをするというのだ。
「まあ、いいじゃん、しないよりはしたほうが気持ちいいんじゃない」
 そうムラオがいうので、あたしは彼女たちにいわれるままベッドに横になった。あたしの係になった女の子はあたしの身体に馬乗りになった。背中を揉みはじめた。
(人間の股間て、暖かいんだなぁ)
 と、あたしはしみじみ思った。あたしはパジャマを着ていたが、彼女の股間の暖かさを尾てい骨あたりに感じていた。彼女の着ていたワンピースははだけている。薄いパンツ一枚の隔たりから、温湿布みたいにじんわり熱が伝わってくるのだ。
 女の子はあたしをマッサージしながら、片言の英語でこんなことをいった。
「さっき、向こうの部屋にいた子供は誰の子だ」
 あたしはこれまた片言の英語で、「あたしのだ」と答えた。
「そうか。いくつだ」
「四歳」
「あたしの子は三つだ。ものすごく可愛い」
 とても若く見えるので、意外だった。彼女がつづける。
「だからあたしは一生懸命働く。寝ないでもOK」
 そういって彼女ははじめて声をたてて笑った。遠く離れたこの国にも、あたしと似たような女がいるのだと思った。ただ撫でられているだけのマッサージは、してもらっているうちに身体が冷え冷えになってぜんぜん気持ちよくなかったけど、ま、いっか。
 隣のベッドにムラオがいなければ、もっと優しい気持ちになったように思う。ムラオは自分の係の女の子に、
「モアハードプリーズ」と何度も指示しておった。うるせーってんだよ。あたしがそういうと、
「背中に蚊が止まったようなんだもん。あはは」
 おまえの背中がでかいからいかんのじゃ。けれど、この女に悪気はない。
 この女、こんなに自由でいいのかね。どこの国にいっても、いつものムラオでいる。大陸的な女っていうかさ。細かいことはあまり気にしないんだね。サムイ島のビーチであたしゃびっくらこいたよ。隣のチェアーに寝そべっているムラオの、毛を発見したのだ。えぐいビキニから毛がはみ出ているよ。あたしは小声でムラオに教えた。
「あんた、毛が出てるって」
「あら、やだ」
 ムラオはぐいっとビキニの縁を引っ張って、毛を隠した。一応、毛は隠れたものの、その瞬間、身が見えたってんだ。
「あんた、身が見えたよ」
「ほんと? あはは」
 あはは…じゃねーっちゅーの。疲れるぜ。
 で、疲れたあたしは、帰国後、赤坂のマッサージ屋へいったのである。あたしが馴染みにしている店は、台湾マッサージを専門にしているところなの。ツボ押しとリンパマッサージね。中国人のヨウさんが妹さんとやっている。美人姉妹だ。その美人姉妹に身体を踏まれたりもする。考えようによっちゃ、これもエッチなマッサージかもしれないなぁ。
 いや、そんなことはないか。だって、エッチなことを想像する暇もないぐらい痛いんだから。涙がでるほど痛い。
 けれどとっても効くんだよ。翌日は揉み返しで身体が痛いけど、翌々日から羽が生えたみたいに身体が軽くなる。おしっこが大量に出るようになるからだろう。むくみが取れ、体重が二キロほど軽くなった。
 まあ、そんなことはどうでもいいね。話は変わりますが、みなさんオフ会ってのやってみない? 年末ぐらいに開けると嬉しいなぁ。

P.S. つまんないこと気にするなや、メルビンのくせに。

2004 09 01 [日記・コラム・つぶやき] | 固定リンク | トラックバック