ココログ ログインココログ登録お知らせ

« April 2004 | トップページ | June 2004 »

< 編集者とのつきあい方 >

 漢字間違いを指摘されちゃったね。おっかしいな、紳助さんは大好きな人なのだけど。あれはあたしでなく、編集役を買って出た井上マネージャー四十一歳のミスなんだね。
 編集者として、漢字の間違いと日本語の間違いを直すのは基本でしょうが。
 といったところでやつはド素人なんだから、やっぱあたしが悪いのか。
 菅直人じゃないんだから、腹をくくって謝るよ。ごめんなさい。
 じつはさ、あたし、書いた原稿はほとんど推敲せずそのまま提出している。同業者の方には、何度も何度も推敲に推敲を重ねたりする人もいると聞くが。いや、手抜きってわけじゃなくって。
 ずーっとずーっと集中して同じものを書いていると、なにが正しくて、なにが正しくないのかわからなくなってくるんだよね。なにが面白いのかも。日本語さえわからなくなってくるから、こりゃ、こりゃ。
 最終的な判断は編集者に任せる。そして、彼らからアドバイスを受ければ素直にしたがうのがあたし流。
 これって、物書きの中では珍しいタイプなんだと聞いた。たとえば小説で、
「ここんとこもっと話を膨らましたほうがいいんじゃない、ここんとこもっと削ってほうが……」
 こんな風に指示をされて怒り出す作家は少なくないらしい。
 怒ることはないよな。編集者って、一つの作品をもっとよくしようという、いってみればチームメートみたいなもんなんだから。
 実際、大家といわれるような先生の書いたもので「あれ? おかしいな」と思う文があったら、そういうこと。彼に意見できる根性のある編集者がまわりにいなかったってことね。
 作家の遊びにお供するのが主な仕事となっている編集者が多いけど、あたしはそういった編集者は苦手だ。プライベートな遊びに編集者を呼びつけるほうも呼びつけるほうだよな。時間外に働かされる編集者も迷惑だろうよ。ま、そういったことを超えて作家と深いつき合いをしている編集者もいるけれど。
 ぱっと思いつくのは小説現代のK編集長だな。Kさんには新人の頃から小説をみてもらっている。ちゅーか、プライベートなことも洗いざらい話し、「最近、室井の生き方は間違ってきた」とまでいわれる。彼がエバってるのは編集長になる前からだし、歯に衣を着せずいい辛いこともばっさりいってくれるから好きだ。信用できる。
 噂の真相からあたしのことで電話がかかってきたとき、相手をむちゃくちゃに叱り飛ばしたのが有名な話。
「そんな嘘ばっか書いてるんじゃないよ! 室井を潰すのか! あいつはな、ああ見えてじつは……」
 怒鳴りながら彼が知っている真実をすべて語っていたらしい。どーりでずいぶん核心に迫ったことを知っていると思ったんだよ。熱い人だ(これ読まれたら怒られっかな)。
 それにしても、Kさんがあたしの生き方にまで口を出してきてもいいのは、それは仕事の面で信頼できるからなんだよな。そこまでいくにはもちろん時間がかかったさ。
 なのに、そういったことをすっかりすっ飛ばし、あたしの本も読んだことのない初対面の編集者に「今後のことを飲みながら話しましょうよ」などといわれても、とまどってしまう。
 あたし自身、自分の今後なんてわからんのに、なぜあんたにわかるんじゃい? 新手の詐欺か? とむちゃくちゃ嫌煙してしまう。いい大学出て競争率の激しい出版社にせっかく入社にしたのに、他にすっことあるだろう、と思ってしまう。尊敬できない人の意見は聞きたかない。
 作家には右脳ばっか発達して、左脳が退化してしまった人種が多い。発想はいいけど、まともじゃないってことね。そういった作家が好き勝手に作った世界を、より多くの一般の人々に受け入れてもらえるようにアドバイスするのが、編集者のいちばんの仕事なんじゃなかろうか。
 最後にもう一度。今回の件に関して、あたしの心の中ではちゃんと「紳助さん」となっていた。最終段階のチェック、編集の役割を担った井上さんの罪が大きいといえよう。
 駄目じゃん。前日あたしと一緒に遅くまで働いていたからって、ほんで疲れ果ててマッサージ屋につき合わせたからって、それは言い訳にならないよー。
 ここまで書くと完璧にポスト菅直人だわな。そうそう、菅さんに関して誰かが週刊誌でいいコメントをしてた。
「奥さんに任せてそれでミスたって、あーた、馬鹿な女房を選んだ馬鹿ってことじゃないの」っていうような。
 うーん。井上さんが馬鹿って思われようが、痛くも痒くもないな。それより今、やつに責任を半分なすりつけることが最重要課題じゃ。

 話は変わって、あたしがテレビでよく着ている洋服ですが、あれは全部、スタイリストさんが選んでくれている借り物です。『こたえてちょーだい !! 』で着ているのだけが自前。だから、局にもジーパンにTシャツでいっています。出張にもジーパンにTシャツ。井上さんには「ジャージ出勤だけは勘弁してくれ」といわれています。どうせ着替えるんだから、ジャージでもいいじゃんねぇ。
 着物地を使った衣装はおっしゃるとおり『gouk』のものです。ここの洋服はスタイリストさんに紹介されてから、よく買うようになりました。
 着物のはぎれを使っていたりして、ほとんど一点ものなのですが、気軽に買える値段でお勧めです。Tシャツが五千円ぐらい、スカートが一万円ぐらいです。
 作っている人も、お店の人達も、とっても気のいい人ばかりなので、「ものすごく気に入った」といえばカタログを送ってくれるかもしれない。
 一点物が多いから、カタログに載っている商品と近いものしか買えないかもしれないけれど。
 原宿に小さいお店があって、季節の変わり目にはバーゲンがあります。むちゃくちゃ安くなります。ぜひ、一度いってみてください。

2004 05 26 [日記・コラム・つぶやき] | 固定リンク | トラックバック

< 匿名の功罪 >

 そうそう、みなさんになぜあたしが自分のページを持ったのかちゃんと話していなかったよね。いちばん大切なことなのに、ごめん、ごめん。
 もちろんそれはニフティから依頼されたからなのだけど、彼らの言い分に「その通り!」と感激したから。ぜひ協力したいと思ったの。
 あたしにこの仕事を依頼する際、ニフティさんはこういった。
「世界が広がったりとインターネットのいいところはたくさんあります。が、名無しで書かれるものの酷さときたらない。そういったインターネットの暗い部分を変える努力をしていきたいのです」
「……!」
 あたしも、あたしもずっとそう思っていたんだよ。担当者の両の手を強く握りしめたい気分になった。
 顔や名前を出して仕事をしていると、さまざまな恩恵に授かる機会があるのは否定できない。たとえば食事にいって、内緒で10%オフにしてもらったり。
 多少なりとも恩恵を受けている以上、その反対の悪口や批判をされても仕方ないというのがあたしの持論であった。
 だけどこれってどうなの? 当時、インターネットをしていなかったあたしは、マネージャーのパソコンでたまたまそのページを発見した。すべてあたしの悪口で構成されているページだった。
 それにはこう書かれてあった。
『室井、ブス、死ね。息子ともども首くくって死ね』
 どひゃーっ! 文章や発言の批判でなく、そうきましたか。ブス? まあ、それぐらいはいい。しかしその後の文は、あたしの我慢の範疇を超えてるって。息子は関係ないだろう、息子は。メラメラと怒りの炎が燃え上がったね。
 あたしはね、匿名の意見というのも必要だと思っている。匿名で自由に意見を述べることができない世の中なんてイヤじゃない。匿名だからこそ、発言できる大事なことだってある。
 けど、インターネットの普及により、匿名で意見を述べることの意義をはき違えている人が増えたとも思う。
 人間の悪意に充ちたどす黒い感情。ふつうならそれぞれの心の奥底に隠しておくべきものだろう。それをインターネットにより、わざわざ人の目に触れさせる。自分のことでなくてもそういったものを見つけてしまうと、気持ちが悪くなる。
 露悪趣味っていうんですか。そういった人はたちは名無しということで守られている。しかし、見ず知らずの人間のこ汚い部分を見せられた側の立場はどうやって守られるのだろう。まるで覆面した変態のあそこを見せられたような気分だ。
 本物の変態に遭遇してしまったときとおなじく、
「小さい」
 と小声でつぶやくしかないのか。今のとこ。
 

2004 05 19 [日記・コラム・つぶやき] | 固定リンク | トラックバック

< クイズは馬鹿のリトマス紙か? >

 日テレの汐留スタジオにいる。これからクイズ番組『カミングダウト』に出る予定。
 クイズ番組って大好きだ。夢中になって答えているとすぐに撮影時間が終わってしまうんだもの。ただし、馬鹿だってバレる恐れはあるけれど。
 つい先日、島田紳助さん司会の『クイズ!ヘキサゴン』に出たんだよ。地図の形だけ見せられて、それがどこかを当てるって問題が出た。鹿児島県がわからなかったよ。堂々と東京都って答えちまった。大島がずいぶんでかく書かれてるなぁ、とは思ったが。
 けれどあたしは、世の中の人々に賢いと思われていないだろうから、ま、いっか。賢いイメージで売っている人は実際大変なんだろうね。問題を当ててあたりまえ、外したりしたら「ほんとは馬鹿だ」なんていわれそう。
 あと、お笑いの人も大変そうだよな。当てよう! それだけ考えていればいいわけじゃないでしょう。クイズのことも考えて、どうやってみんなを笑わせるかも考えて。
 いちばんいいのは、「馬鹿のようなだが、意外と賢いところもある」と思われる人なんじゃないか。
 あたしの場合、馬鹿なふりをして意外と賢いんじゃないかと思ったりもしたがやはり馬鹿であった、という感じか。それとももうストレートに室井=馬鹿と思われているんだろうか。クイズ番組にでなきゃ「馬鹿のようだが賢いかも」で無事に終わっていたかもしれんかったが。
 歴史問題や地理問題がまったくわからん。ほんとうに馬鹿か利口か問われるような問題をいつも外してしまう。そういった一般教養クイズでは、いつもビリかブービーだもの。
 しかしですよ。あたしは三択問題に強い。その昔、三択の女王は竹下景子だったかもしれないが、ひょっとして今はあたしかもしれないよ。
 
 で、本番が終わって今、控え室に戻ってまいりました。クイズの結果は……
 ジャーン! 優勝しちゃったよ、おい。
 余談ですが、司会の谷原章介さん、端正な顔立ちで息を飲むほどいい男であった。

2004 05 12 [日記・コラム・つぶやき] | 固定リンク | トラックバック

< みんな、ありがとう。 >

 息子のどもりについていろいろ教えてくれて、みんな、ほんとにありがとう。たいへんためになりした。息子は変わらずどもっておりますが、時間をかけて見守っていこうと思っています。
『とくダネ!』の小倉さんには、じつはだいぶ前から相談していておりました。なんといってもどもりを克服してアナウンサーになった人なので。とても親身になって話を聞いてくれましたよ。
 小倉さんは親分肌な人なので、たぶんこうやって、自分の番組の出演者みんなの相談に乗っているのだと思いました。例の事件があったときも、いちばん落ち込んでいたし。
 あたし、肉親や友達以外の人間で、絶対になにがあっても裏切らないと心に決めている人が十人ぐらいいるんです。もちろん小倉さんもその一人。
 コメンテーターの仕事をはじめたときむちゃくちゃ緊張していて、最初の「おはようございます」って挨拶と、他の人の意見にかぶせて「そうですね」って二言ぐらいしか発言できないときがあったんだよ。なにしろギャラ泥棒っていわれてたぐらいなんだから。
 小倉さんはそんなあたしをフォローしてくれたし「頑張れ」っていってくれた。「子供抱えてるんだから、頑張れ」って。

 
 
 

 ふつうはそんなこといわないの。だって、あたしの仕事はあたしでなきゃいけない理由はないんだもん。あたしがいなくても誰かに代わるだけでしょう。
 『とくダネ!』の出演が決まった頃、あたしは人生のピンチといってもいいぐらいで、それは借金があったからで、両親も子供も抱えてどうしたらいいんじゃいと頭を抱えていた。
 それまで仲良くつき合っていた人が急に冷たくなったり、急にレギュラーの仕事がなくなったり、イヤなことがつづきまくっていたわけよ。
 実際、とっても助かったもの。あの番組が決まってくれて。家賃と駐車場代が確保されたわけだから。ほんでまた元気になったらいろんな人が集まってきたけれど、やっぱりピンチのときに優しくしてくれた人とはちょっと違うような気がする。
 あたしの仕事って浮き沈みが激しいじゃん。貧乏神がこっちに移ってきたらイヤだっつーんで運のないやつの側からは逃げる、みたいなところがある。あたしだって正直にいえば、友達や特別に好きな人じゃないなら、望んで運のない人とは一緒にいたくないかもしれない。不運に見舞われている人間にも構わず接してくれる人って、よくいるようで滅多にいない。
 思えば、内田春菊さんもそうであった。もとからあたしは春菊さんの大ファンだったんだけど、なんとなくうっかりと自分の不幸について語ってしまった。あたしの春菊さんに対するイメージが、姉御というよりお母さんだからなんだと思う。
 前から春菊さんって、『はじめ人間ギャートルズ』のお母さんのような人だと思っていた。ほら、子供を背中に背負っているお母さん。だけど春菊さんの場合、子供を背負ったままマンモスも狩りにいく……みたいな。
 うっかりと不幸を語ってしまったあたしは、しゃべりながら後悔した。春菊さんにまで冷たくされたら辛いなぁと思って。だけど、彼女は動じなかった。一言、「お金なら貸すよ」だって。なんて格好いいんだ。
 あたしはまだまだ人間が小さいし姑息だったりもするから、ほんとうに身近な人間の安全しか考えられなかったりする。揉め事には巻き込まれるまいと逃げ腰になったり。
 裏切らないと決めている人々に対してだって、大したことはしていない。悪口を聞いたら、喧嘩しても戦うということぐらいだ。
 けれどさ、自分の息子のことをホームページでちょっと相談し、見知らぬ人達からこんなに心配してもらったりするとさ、
(自分て、恥ずかしい!)
 と真剣に思う。自己中っていうか、人間が小さすぎるっていうか。世の中と自分の体温、自分の体温のほうが冷たかったんだと改めて気づいたみたいなさ。なんだか泣けてくるのです。
 
 

2004 05 07 [日記・コラム・つぶやき] | 固定リンク | トラックバック